法改正の検討の始まり
職員A(入局17年目):この法改正については、新聞等でだいぶ注目されたね。
職員B(入局7年目):そうですね。法律の成立の段階はもちろん、党・会派の垣根を越えた"超党派"の議員連盟での検討の過程も、新聞やニュースで取り上げられました。
職員A:当局としては、議連で法改正を検討していく方針が確認された頃からこの件に関わったのだけど...Bさんは、その割合初めの頃に、うちの課に着任したんだったよね?
職員B:ちょうど議連の中に法改正のための検討チームが設置された頃です。関係団体の声や有識者のご意見を基に、どのような改正項目が考えられるかについての議論が始まったところでした。
職員A:そうだったね。改正項目をどうするかについては先生方と様々な議論をしたよね。
熱い思いを汲み取る
職員A:当時の議論で印象深かったことは?
職員B:やはり、ハラスメント対策のことですね。先生方から、議員活動や立候補者としての活動の妨げになっているという切実な声を聴きました。
職員A:立案するときには、政府の実態調査等からも政策項目の必要性の把握をするのだけど、実際の生の声を聴くというのも、重要なプロセスだよね。"家庭生活との両立支援"についても、どういうことに困ったのかというエピソードとともに、必要性を痛感しているというご意見を聴いたね。
職員B:政治分野の男女共同参画をテーマに先生方が討論するテレビ番組もありましたが、実際の議連の現場では、より先生方が熱い思いを持って議論を交わされていたのが強く印象に残っています。
職員A:法改正の原動力になったのは、そうした依頼者・関係議員の一貫した熱い思いだと思う。これを肌で感じられること、先生方の"すぐ近く"でお支えするという距離感も、当局の仕事の醍醐味だと思うよ。その分、政治のダイナミックな動きを目の当たりにすることもあるね。
職員B:今回も、法案の審議を行うかどうか会期末ぎりぎりまで調整が行われていて、それはもうハラハラ・ドキドキでした。
職員A:そうだったね。成立後の議連で、先生方や関係団体の皆さんから「ありがとう」と声を掛けていただき、よかったなぁと、しみじみ思いました。
条文を作り上げる難しさ・楽しさ
職員A:Bさんには、係長級として条文の原案を作ってもらったけれど、振り返ってみてどうだったかな。
職員B:法制的に整った規定にするには、どのような言葉を選んで、どのように構成したらよいのか...とにかく悩みました。男女共同参画というテーマであったこともあり、自身の出産・育児の経験から、依頼者の問題意識や議連での議論を具体的に捉えることができ、立案の助けになったと思います。課内での議論を経て見えてきたこともたくさんあって、立案の難しさもさることながら、議論をしながら形を作っていくことの楽しさも改めて感じることができました。
職員A:そう言ってもらえると、先輩としてはとても嬉しい。一人で考えてみることも大事なのだけど、課の皆で話をしているうちに思い付くということがよくあって、知恵を出し合うことを重視する当局の雰囲気を楽しいと思ってもらえることは、大切です。
この経験を糧に
職員B:皆さんと悩んで書いた条文が「法律」になったこと、先生方・有権者の皆さんの思いの実現に関わることができたことは、貴重な経験でした。充実感でいっぱいです。
職員A:当局への立案依頼は、その時々に対応が求められている"ホットな"テーマであることが多いけれど、今回の法律は、それに加えて"政治の在り方"につながるものでもあって、まさに議員立法ならではの立案だったと思うよ。Bさんにとって大きな財産になったんじゃないかな。この経験をいかして、次の仕事も頑張ろう!
職員B:はい!頑張っていきましょう!