生殖補助医療に関する法制の"第一歩"
職員A(入局18年目):近年、人工授精や体外受精といった生殖補助医療の技術が進展し、生殖補助医療を受ける方も増加しています。令和2年秋には私たちも携わった生殖補助医療に関する法律が参議院の議員立法として成立しましたね。
職員B(入局7年目):生殖補助医療に関する法整備をめぐっては、平成15年に政府において一定の方向性が示されたものの、その後の法制化には至らなかったという経緯があります。そのような経緯も踏まえると、法案の発議者が指摘していたように、まずは生殖補助医療に関する法制の"第一歩"を踏み出せたことの意義は大きく、そのような法案の成立に携われたことは、とても貴重な経験でした。
職員A:政府側の動きが止まっていた間も、議員間では検討が続けられており、私たちが厚生担当に着任した時点では、既に条文化作業も終わり、いよいよ法案提出に向けて動き出す段階となっていましたね。
国会審議を法制面から支える
職員B:この法案は、生命倫理の問題や、親子関係という重要な法律関係に関わるものなので、関心を持つ議員も多く、各党の党内手続でも様々な観点からの質問や意見が出されていたのが印象的でした。我々も法制面の説明を補佐するために陪席を求められ、事前に相当準備していたつもりだったのですが、思いもよらない観点からの質問が飛んでくることもあり、その後改めて考え方を整理することもありました。
職員A:法案が参議院に提出された後の委員会審議では、私たちは答弁者である法案を発議した議員のサポートとして、法制面に関する質問について、質疑通告に対する答弁案を作成して答弁者と打合せを行い、委員会審議の場では答弁者の後ろに座って答弁を補佐しました。この法案では、衆参それぞれの委員会で全会派が質疑に立ち、充実した審議となった分準備も大変でしたが、事前に想定される質問に対する答弁の案を幅広く用意していたことが功を奏しましたね。
職員B:民法の特例に関する部分の答弁案を用意する際には、大学・大学院時代の勉強がとても役に立ちました。学生時代に学んだことを仕事に活かしたいというのが当局を志望した動機の一つだったので、まさにそれが実現した場面だったと思います。大変ではありましたが、やりがいを感じました!
対等に議論できる職場
職員A:答弁案を用意する場面では、論点の抜け落ちや矛盾点がないか確認しながら、課で議論を積み重ねていきましたね。当局の仕事は課内で議論しながら進めていくのが基本で、それが職場の雰囲気にも影響していると思いますが、いかがですか。
職員B:課の全員が、入局年次に関わりなく議論に参加することから、おのずと風通しのよい、フラットな職場になっているように思います。普段から新聞等で気になった話題があれば気軽に議論しているので、「いざ」というときにも気兼ねなく発言できる雰囲気があるように感じます。僕もそれなりの年次になってきたので、後輩職員にも同じように感じてもらえる雰囲気作りができたらいいなと思っています。
職員A:そうですよね。当局ではどの課も少人数なので、全員が貴重な戦力!いつも対等に議論できる雰囲気は大事ですし、当局のそういう雰囲気は議論が好きな方にはお勧めです。
"第一歩"のその先に
職員B:法律が成立して一つの節目を迎えたわけですが、まだ終わるわけではありませんね。
職員A:そうですね。生殖補助医療に関する具体的な法規制等は今後の検討に委ねられており、成立した法律の附則においても今後国会で検討を続ける旨規定されています。
職員B:実際、法律の成立後に超党派の議員連盟が設立されて、早速検討が進められていますよね。我々としても引き続きこういった動きも注視していく必要がありますね。
職員A:そうですね。更なる法整備に備えて専門的な勉強も続けておかなければいけませんね。また課で議論しながら進めていきましょう。