参議院法制局

うるう年をめぐる法令

 うるう年をめぐる法令上の取扱いは、どのようになっているのでしょうか。

 うるう年は、完全に4年に1回やってくるわけではありません。「閏年ニ関スル件」という明治時代の法令で、神武天皇即位紀元年数(いわゆる皇紀で、西暦に660を加えた数。)が4で割れる年をうるう年としつつ、紀元年数から660を引いた数(すなわち西暦)が100で割れるが400で割れない年を平年(うるう年でない年)としており、うるう年は400年に97回やってくる計算になります。このような複雑な定めをするのは、1年が正確には365日ではない(約365.24日)ことの調整を行う必要があるためです。したがって、今後しばらくは4年ごとにうるう年がやってきますが、西暦2100年は平年になります。ちなみに西暦2000年は、400で割れる数ですので、うるう年でした。

 2月29日生まれの人にも誕生日が毎年やってくるということは、まさか4年に1回しか年を取らないはずもありませんから、感覚的には当然のことです。しかし、実際いつ1歳年を取るのでしょうか。この点については、「年齢計算ニ関スル法律」が、年齢を計算するときには出生日を初日に算入することを定めています(「4月1日生まれの子どもは早生まれ?」参照。)。したがって、例えば西暦2020年2月29日生まれの者は、西暦2021年2月28日限り(すなわち2月28日の24時)をもって満1歳になります。ただ、実際に誕生日を祝うのは、満1歳になった次の日、すなわちうるう年では2月29日、平年では(2月29日がないので)3月1日ということになるのでしょう。

 ところで、道路交通法第92条の2は、誕生日を基準に自動車運転免許証の有効期限を定めています。例えば、70歳未満の一般運転者の免許証の有効期間の末日は、更新前の免許証の有効期間満了後の5回目の誕生日から起算して1月を経過する日とされています。2月29日生まれの者が免許証の更新を受けたとき、更新後の免許証の有効期間の末日はどうなるのでしょうか。この点、「...1月を経過する日」が平日か土日かは年によって異なることもあり(土日等の場合はその後の最初の平日まで有効期限が延びる。)、有効期間の末日は何月何日であると一概に言えないのですが、一般的には、2月29日生まれの者の平年における誕生日は2月28日とみなす旨の規定が道路交通法には置かれています。更新の年が平年であれば2月28日生まれの人と同じ扱いになるわけです。2月28日生まれの人より1日後に生まれたのに有効期限が一緒ということになり、2月29日生まれの人には気の毒な面がありますが、他方、3月1日生まれの人と同じ扱いにすると、今度は3月1日生まれの人から「なぜ自分より1日先に生まれた人と有効期限が一緒なのか」と、同様の不満が出るのかもしれません。

※ この記事は、参議院法制局の若手・中堅職員の有志が編集・執筆したものです。2020年4月に編集・執筆したものですので、現在の情報と異なる場合があります。なお、本記事の無断転載を禁じます。