国民の祝日
現在の我が国の「国民の祝日」の根拠となっている法律は、昭和23年に制定された「国民の祝日に関する法律」(昭和23年法律第178号。以下「祝日法」という。)です。祝日法では「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名づける」とし、各々の「国民の祝日」の名称とその意義について規定しています。「国民の祝日」は、これまで何度か追加や呼称の変更等が行われましたが、現在は、以下の計16日です。
元日(1月1日)
成人の日(1月の第2月曜日)
建国記念の日(政令により2月11日)
天皇誕生日(2月23日)
春分の日(春分日)
昭和の日(4月29日)
憲法記念日(5月3日)
みどりの日(5月4日)
こどもの日(5月5日)
海の日(7月の第3月曜日)
山の日(8月11日)
敬老の日(9月の第3月曜日)
秋分の日(秋分日)
スポーツの日(10月の第2月曜日)
文化の日(11月3日)
勤労感謝の日(11月23日)
なお、成人の日、海の日、敬老の日及びスポーツの日(旧体育の日)は、元々、それぞれ1月15日、7月20日、9月15日及び10月10日とされていましたが、3連休を拡大し、余暇活動をより一層充実させる観点から、平成10年及び平成13年の祝日法改正により、上記のとおり月曜日とされました(いわゆる「ハッピーマンデー」)。
また、「平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法」(平成27年法律第33号)第32条により、令和2年については、海の日は「7月23日」と、山の日は「8月10日」と、スポーツの日は「7月24日」とされました。
そのほか、祝日法では、「国民の祝日」に関連する休日の制度についても規定しています。
まず、祝日法では、『「国民の祝日」は、休日とする』(祝日法第3条第1項)と定めています。
次に、『「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする』(同条第2項)という、いわゆる振替休日の制度が設けられています。例えば、令和2年の5月6日は、5月3日(憲法記念日)の振替休日とされていますが、これは、5月3日が日曜日に当たり、翌4日・5日がみどりの日・こどもの日という「国民の祝日」であるためです。
さらに、『その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする』(同条第3項)こととされています。
これらの制度が適用されることによって実現したのが、平成31年・令和元年のゴールデンウィーク10連休です。
この年のゴールデンウィークについては、まず、「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」(平成30年法律第99号)により5月1日が休日となりました。次に、同法附則第2条第1項で5月1日が祝日扱いとされることにより、4月29日(昭和の日)と5月1日に挟まれた4月30日が、祝日法第3条第3項により休日となりました。同様に、5月1日と5月3日(憲法記念日)に挟まれた5月2日も、休日となりました。さらに、5月5日(こどもの日)が日曜日であるため、同条第2項により翌6日が振替休日となり、4月27日(土)から5月6日(月)までの10連休が実現したのです。
- ※ この記事は、参議院法制局の若手・中堅職員の有志が編集・執筆したものです。2020年4月に編集・執筆したものですので、現在の情報と異なる場合があります。なお、本記事の無断転載を禁じます。