法制執務コラム

法律で「休日とする」とされた日

 今年の9月は、敬老の日(21日)と秋分の日(23日)に挟まれた22日が休日となったことで、5連休が実現しました。22日が休日となったのは、「国民の祝日に関する法律」(以下「祝日法」といいます。)第3条第3項が、『その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。』と定めていることによります。

 また、11月12日に、天皇陛下御在位20年を記念して政府主催の記念式典が開かれましたが、この期日の由来である即位礼正殿の儀が行われた平成2年11月12日は、「即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」により、同年限りの休日とされました。

 ところで、祝日法や「即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」のように、法律で特定の日を「休日とする」ことは、法的にはどのような意味があるのでしょうか。今回は、このような休日についての法的効果を定める法令をいくつか御紹介したいと思います。

 祝日法により休日とされた日(「国民の祝日」のほか、いわゆる振替休日や、冒頭で御紹介した第3条第3項による休日も含まれます。)については、各法令により、国の行政機関の休日とすること(「行政機関の休日に関する法律」第1条第1項第2号)、条例において地方公共団体の休日とすること(地方自治法第4条の2第1項第2号)、公立学校の休業日とすること(「学校教育法施行規則」第61条第1号等)、死刑を執行しないこと(「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第178条第2項)、期間の末日がその日に当たるときは原則としてその翌日を期間満了日とすること(民法第142条)等が定められています。なお、「即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」のように、特定の日を休日とする法律においては、その日を祝日法に規定する日として扱う(=その日についても上記の効果が発生する)旨を定める規定が置かれるのが一般的です。

 一方、民間企業が法律で休日とされた日に休業するかどうかは、その企業の経営判断にゆだねられています。民間企業に対しては、銀行法第15条第1項のように「銀行の休日は、日曜日その他政令で定める日に限る」と規制する法令はありますが、法律で休日とされた日の休業を義務付ける法令は見当たりませんし、労働者に与えなければならないこととされている労働基準法上の「休日」も、労働者一般ではなく個々の労働者が労働義務から解放される日を意味するものであり、法律で休日とされた日と一致する必要はありません。実際、デパートやテーマパークなどにとっては、むしろ世間一般の休日が稼ぎ時でしょう。

 今年6月30日に衆議院に提出された「天皇陛下御在位二十年を記念する日を休日とする法律案」(衆議院解散により廃案)は、同年11月12日を休日とする内容でした。民間企業の経営者の中には、成立すれば事前に同日を休業日とするかどうか判断する必要があるため、この法案の審議の行方に関心を持っていた方も多かったかもしれません。

(坂本光/「立法と調査」NO.299・2009年12月)


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