法制執務コラム

参議院議員の通常選挙の期日

 本年は参議院議員の通常選挙が行われますが、その期日は、法律上どう定まるのでしょうか。

 公職選挙法32条1項は、参議院議員選挙の通常選挙は、議員の任期が終わる日の前30日以内に行うとしています。平成10年選出の参議院議員の任期は本年7月25日に終わるので、この規定によると、通常選挙は、6月25日から7月24日までの間に行われることとなりそうです。

 ところが、公選法32条2項を見ると、同条1項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から23日以内にかかる場合には、通常選挙は、参議院閉会の日から24日以後30日以内に行うとしています。この規定は、国会開会中に選挙の公示や執行がなされることで、現職の議員は、議員としての職責を果たすためには選挙運動ができず、選挙運動に専念すれば議員としての職責が果たせなくなるという不都合な事態を避ける趣旨といわれています。本年の通常国会(会期150日間)の閉会の日は、会期延長がなければ6月16日ですので、前述の6月25日から7月24日までの期間が閉会の日から23日以内にかかり、同条2項の規定が適用されます(これまでの通常選挙についても、昭和37年を除き、すべて同項の規定が適用されています)。公選法の「○○の日から」というのは、初日を算入しないと解されているため、通常選挙は、閉会の日の翌日である6月17日から起算して24日以後30日以内、すなわち、7月10日から16日までの間に行われます。国政選挙の期日は日曜日に設けることが定着しており、今回も日曜日を期日とするのなら、7月11日が通常選挙の期日となります。仮に、通常国会の会期が平成10年選出議員の任期満了日である7月25日まで延長されれば、通常選挙は、8月18日から24日までの間に行われます(日曜日は8月22日)。 

 なお、平成9年以前は、公選法32条2項は、同条1項の規定により通常選挙を行うべき期間が参議院開会中又は参議院閉会の日から30日以内にかかる場合には、通常選挙は、参議院閉会の日から31日以後35日以内に行うとしていました。平成9年当時、翌平成10年の通常選挙は、通常国会の1月19日召集、会期延長なしを前提とすると、この規定により、7月18日から22日までの間に行われる見込みでしたが、この期間中の日曜日が7月19日で、その翌日が海の日であり、夏休みに入った直後の連休中が選挙期日となると、投票率の低下が懸念されました。そこで、選挙期日をより早く設けることが容易になるよう、この規定が改正されました(実際は、平成10年は、通常国会の召集が1月12日でしたが、会期が8日間延長され、選挙期日は7月12日でした)。

 では、通常選挙の期日が7月11日なら、その期日はいつ公示されるのでしょうか。公選法32条3項は、通常選挙の期日は、少なくとも17日前に公示しなければならないとしています。「少なくとも」とあるので、18日以上前に公示することも可能で、通常選挙については、昭和43年以前は、最低限の期間(昭和43年当時は23日前)に1日余裕を持たせて公示されていました。もっとも、昭和46年以後は最低限の期間のみを空けて公示されており、今回も17日前の公示となるなら、6月24日が公示日となります。

(滝川雄一/「立法と調査」NO.240・2004年3月)


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