参議院法制局

職員からのメッセージ

参議院法制局のススメ

男性

平成21年入局 D参事

 皆さんが職業を選ぶ上でのポイントは、何ですか?やりがい、社会貢献、仕事と生活の調和...こうしたことを大切にしたい皆さんにとって、参議院法制局は魅力的な職場といえるでしょう。

法制度を設計する楽しさ

 参議院法制局の主な業務は、依頼者からどんな政策を実現したいのかを聞き取り、それを基に法制度を設計し、法案等にまとめることです。法制度の設計等の作業は、課内で各自の考えを出し合って議論をしながら進めていきますが、いわばものづくりを共同で行う楽しさがあり、夢中にならずにはいられません。また、立案したものが国会審議を経て法律として成立したときの達成感は、とても大きなものです。自分が書いた条文が六法に載っている----そんな光景を想像してみてください。

社会的課題を解決する。

 加えて、こうした業務は、立案したものが法律として成立することを通じて社会的課題の解決につながる点で、大きな社会的意義を持っています。例えば、私が参議院法制局で立案したものには、ストーカー規制法改正(SNSを利用したストーカー行為の規制等)、参議院選挙制度改革関連の公職選挙法改正(1票の較差の是正等)等があり、これらはその時々の社会的課題の解決に役立っています。

法制局職員のワークライフバランス

 仕事外についていえば、国会閉会中は比較的業務が落ち着いていることが多く、旅行に行くなどしてリフレッシュしています。参議院法制局では、仕事と生活の両方を大切にする働き方ができます。

いかがでしょうか。皆さんも、参議院法制局で働いてみませんか。

様々な分野を多様な視点から考える

男性

平成20年入局 H参事

 参議院法制局では、あらゆる政策分野をカバーしつつ、政策を法律案という形にする専門的な作業が求められます。そして、その一つの政策についても、依頼議員の立場は多様であり、異なる視点からのアプローチが求められるのも参議院法制局の仕事の特徴だと思います。

多様な民意に寄り添う。

 平成21年の臓器移植法の改正の際には、衆議院から送付された法律案に対して、参議院では、その修正案と、対案としての法律案が提出されることになりました。臓器移植は個人の生命観・倫理観により立場が大きく分かれる問題かと思いますが、参議院においても異なる立場から法律案・修正案という形で意見が表明されました。公平・中立でありつつも、それぞれの立場に立つ議員の考えに従い、同時にそれら複数の案の検討を進めていくのは、当局ならではの経験なのではないでしょうか。

社会への問題提起に貢献する。

 この時に立案した平成21年の臓器移植法改正案の対案としての法律案・同年の臓器移植法改正案の修正案は、可決はされませんでした。参議院法制局の立案業務においては、成立しない案件も多く、提出法律案という公に見える形にならない案件も少なくありません。しかし、このような案件の立案においても、社会への問題提起や、議員による政策の検討の深化をサポートすることで、法律で直接社会に影響を与えることはなくとも、少しでもよりよい社会の実現に貢献できているのではないかと思います。

 参議院法制局の職務に魅力を感じていただいた皆さん、その幅広い関心や多様な視点を当局の職務に生かしてみませんか。是非参議院法制局の門をたたいてみてください。

10年目立案職員の雑感

男性

平成20年入局 N参事

 平成20年に入局し、これまで局内の異動や、出向の機会を通じて、様々な分野の法律に携わることができました。これまで携わった仕事の中から、少し振り返ってみたいと思います。

与野党一致への軌跡 ~被災者支援~

 平成24年に成立したいわゆる「子ども・被災者支援法案」は、平成23年に発生した福島第一原発事故の被災者支援に関し、与野党がそれぞれ参議院に提出していた法案について、与野党協議を経て一本化して成立したものです。与野党協議では議員間で真剣な議論が交わされ、出された意見の調整や、それを法案にどのように反映させるか腐心しましたが、委員会での法案審議が終わった後、答弁席に座っていた依頼議員から「ありがとう」と握手を求められたとき、何とか仕事をやり遂げた充実感が込み上げてきたことを思い出します。

依頼議員の熱意を形に

 平成28年の自殺対策基本法改正案は、我が国の年間自殺者数は減少傾向にあるものの若年世代の自殺は依然深刻であるなど、我が国の自殺問題は決して楽観できないとの意識を共有する議員が中心となって、法改正に向けた検討が積み重ねられました。依頼議員の熱意を形にするため汗をかき、ささやかながらも法案の成立に関わることができたことで、大きな達成感を得ることができました。

チーム一丸となって考え抜く!

 この原稿の執筆に際し改めて思うことは、初めのうちは取っ掛かりをつかむことさえ難しい依頼であっても、課というチームで考え抜き、議論を積み重ねていくことで、何とかやり遂げることができるということです。大学のゼミ等で丁寧に調べ、議論することを通じて、法制度の背後にある考え方を理解することが好きな皆さんにとって、参議院法制局は魅力的な職場であるはずです。

 このような仕事に魅力を感じる皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

法律を軸に幅広い分野で働く。 ~行政庁への出向を振り返って~

男性

平成23年入局 I参事

 平成30年から約1年、消費者庁消費者制度課で勤務し、消費者被害の防止及び回復を図る制度である「消費者団体訴訟制度」に関する企画・立案・推進に携わりました。

法制度を運用する立場で考える

 消費者庁では、ガイドラインの改訂のように当局における法律案の立案と通じる部分がある業務だけでなく、将来の法改正に向けて立法事実を収集するための消費者被害実態調査や消費者団体訴訟制度の担い手である消費者団体に対する支援といった行政庁ならではの業務にも携わりました。その過程では、関係団体や民間事業者との調整が求められ、ときには込み入った交渉をしなければならない場面もあり、これまでにない経験をすることができました。
 法律案の立案には多面的・多角的な視点で検討することが必要ですが、このように実際に法制度を運用する立場で物事を考える機会を得たことは、大きな財産になりました。

所管にとらわれない国家公務員

 行政庁では、法律に直接関わる仕事だけでなく、施策を実施するための様々な業務があり、かつ、それは所管の範囲に限られます。これに対し、参議院法制局は、国会議員の政策を法律にする法制執務のプロでありつつ、異動によって定期的に担当分野が変わるため、所管にとらわれず、幅広い分野で経験を積むことができます。出向を通じて、法律の専門家として様々な分野の法制に関わることができるという参議院法制局の業務の魅力を再確認できました。

 参議院法制局に興味を持たれた方と、同じ職場で仕事ができることを楽しみにしております。

議員の想いを直接受け止めて法案にする ~行政庁への出向を振り返って~

女性

平成22年入局 K参事

 入局7年目の平成29年から約1年間、消費者庁に出向する機会を得ました。消費者団体訴訟制度が主な担当で、出向中、行政庁ならではの仕事を経験し、充実した日々を過ごすことができました。

下位法令の改正

 出向中の印象的な仕事の一つは、施行規則の改正やガイドラインの改訂です。パブリックコメントを実施して広く国民から生の声を聴いたり、改正案文について消費者庁だけでなく内閣府の法令審査を受けたりするなど、議員立法とはまた違ったプロセスを経て作られる法令等の改正・改訂に携わりました。

事業の創設と予算折衝

 もう一つの出向中の印象的な仕事は、将来の法改正に向けて立法事実を収集するための実態調査事業の立ち上げに携わったことです。前提として、いわゆる予算要求が必要で、事業の必要性を資料にまとめたり、費用の積算を行ったりして、財務省と交渉を行いました。予算を確保した後は、委託事業者を選定するための入札を行うため、仕様書の作成や参考見積書の取得などの手続を進めました。これらも参議院法制局ではなかなか経験することのない業務でした。

柔軟に、ときに大胆に制度を設計する

 行政庁での業務を通じて感じたことは、行政庁では、部署ごとに担当分野が限定されており、その所管する法律をしっかりと運用していくこと、また、その枠内で、必要な企画を立案し、制度を盛り上げていくことがまず基本としてあるということです。
 参議院法制局では、与野党問わず、依頼者である議員の想いをいかに酌み取り、それを法律案という形あるものにするかということが業務ですので、既存の行政庁の所管に縛られず、柔軟に、ときには大胆に制度設計をすることもあります。直接、議員とのやり取りを繰り返し、議員の目指すものは何かを明らかにしていき、共に作り上げていく、そういったプロセスを経て生み出される法律案の立案に携わることができるのは、参議院法制局ならではの魅力だと、改めて思いました。

 このような仕事に興味のある皆さんとお仕事ができることを楽しみにしています。

参議院法制局での立案・行政庁での立案 ~行政庁への出向を振り返って~

男性

平成21年入局 K参事

 平成28年から1年間、消費者庁に出向しました。消費者庁では、内閣府令の改正やガイドラインの改訂、そして国民生活センター法等改正案の立案と国会審議への対応などを担当し、充実した期間を過ごさせていただきました。

法律案の立案の際の検討点

 法案の立案においては、憲法適合性、現行法体系との整合性などを精緻に検討する必要があり、これは行政庁での閣法(内閣提出法律案)の立案でも参議院法制局での議員立法の立案でも基本的に変わりません。

幅広い分野の法律案を立案する。

 行政庁では、自らの所管に関わる法案の立案をしますが、参議院法制局では、行政庁の所管に縛られることなく、様々な国会議員から依頼を受けて、議員の意図をいかに実現するかという観点から法案の立案をするという違いがあります。異動によって担当分野が変わるため、様々な分野の法制度に携わり、法律的な知見を深めることができることは参議院法制局ならではの魅力であると感じました。

1年目職員も法制局長審査に

 行政庁では、立案した法案を内閣法制局に持ち込み、内閣法制局の審査を受けることになりますが、立案担当者は内閣法制局の参事官とは直接やり取りをしますが、部長以上と直接やり取りすることはほぼありません。他方、参議院法制局では局内で立案から審査まで行うため、立案担当者である担当課の課長及び若手職員を含む課員が法制局長審査まで同席することになります。立案担当者として審査の最後まで直接関わることができるということも、参議院法制局の魅力の一つだと思います。

 これを読んで、参議院法制局での仕事に少しでも興味を持っていただけると幸いです。