参議院法制局

第145回国会参法第19号


職業安定法等の一部を改正する法律案要綱

第一 職業安定法の一部改正

 求職者等の個人情報の取扱い 

1 公共職業安定所及び民間職業紹介事業者等(職業安定機関以外の者であって職業紹介、労働者の募集又は労働者供給事業を行うものをいう。以下同じ。)は、その業務に関し、求職者等の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならないものとすること。(第五条の二第一項関係)

2 公共職業安定所及び民間職業紹介事業者等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならないものとすること。(第五条の二第二項関係)

3 労働大臣は、1及び2に定める事項に関し、公共職業安定所及び民間職業紹介事業者等が適切に対処するために必要な指針を公表するものとすること。(第五条の二第三項関係)

二 民間職業紹介事業者等に関する監督等 

1 職業安定監督官

1 労働省の職業安定主管局、都道府県職業安定主務課及び公共職業安定所に、職業安定監督官を置くものとすること。(第四十八条第一項関係)

2 職業安定監督官は、この法律の民間職業紹介事業者等に係る規定(以下単に「この法律」という。)の施行に関する事務をつかさどるものとすること。(第四十八条第二項関係)

2 職業安定監督官の権限

1 職業安定監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、民間職業紹介事業者等の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問し、又は帳簿、書類その他の物件を検査することができるものとすること。(第四十九条第一項関係)

2 職業安定監督官は、この法律に違反する罪について、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行うものとすること。(第四十九条の二関係)

3 労働者の申告

1 民間職業紹介事業者等がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官に申告して是正のための適当な措置を執るように求めることができるものとすること。(第四十九条の三第一項関係)

2 民間職業紹介事業者等は、1の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとすること。(第四十九条の三第二項関係)

4 労働大臣等の権限

 労働大臣又は公共職業安定所長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、所属の職員に、民間職業紹介事業者等の事業所その他の施設に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができるものとすること。(第四十九条の四関係)

5 報告及び出頭

 労働大臣、公共職業安定所長又は職業安定監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、民間職業紹介事業者等又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができるものとすること。(第四十九条の五関係)

6 指導及び助言

 労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、民間職業紹介事業者等に対し、その業務の適正な運営を確保するために必要な指導及び助言をすることができるものとすること。(第四十九条の六関係)

7 改善命令

 労働大臣は、民間職業紹介事業者等がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反した場合において、必要があると認めるときは、これらの者に対し、業務の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができるものとすること。(第四十九条の七関係)

三 秘密を守る義務等

1 有料職業紹介事業者及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならないものとすること。これらの者でなくなった後においても、同様とすること。(第五十一条第一項関係) 

2 有料職業紹介事業者及びその代理人、使用人その他の従業者は、1の秘密のほか、その業務に関して知り得た個人情報その他労働省令で定める者に関する情報を、みだりに他人に知らせてはならないものとすること。これらの者でなくなった後においても、同様とすること。(第五十一条第二項関係)

3 無料職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、労働者供給事業者、公共職業安定所の業務に従事する者等は、その業務に関して知り得た個人情報その他労働省令で定める者に関する情報を、みだりに他人に知らせてはならないものとすること。これらの者でなくなった後においても、同様とすること。(第五十一条の二関係)

四 罰則の整備

1 二の2の1、二の3の2、二の4、5及び7並びに三の1に係る罰則を設けるものとすること。(第六十四条から第六十六条まで関係) 

2 罰金額を引き上げるものとすること。(第六十三条から第六十六条まで関係)

五 その他

 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

第二 その他の法律の一部改正

一 建設労働者の雇用の改善等に関する法律、中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び林業労働力の確保の促進に関する法律について、労働者の募集に関する規定の整備を行うとともに、罰金額を引き上げるものとすること。

二 労働省設置法について、職業安定監督官の設置に伴う規定の整備を行うものとすること。

第三 施行期日等

一 この法律は、平成十二年一月一日から施行するものとすること。(附則第一条関係)

二 この法律の施行に関し必要となる経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整理を行うものとすること。(附則第二条及び第三条関係)