参議院法制局

第145回国会参法第8号


廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案要綱

第一 特別管理一般廃棄物並びに産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物となる廃棄物の拡充(新法第二条第三項並びに第四項及び第五項関係)

1 一般廃棄物のうち、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)により設置の許可又は届出を要する廃棄物焼却施設における廃棄物の焼却に伴って生じたばいじん及び焼却灰を特別管理一般廃棄物とするものとすること。

2 事業活動に伴って生じた廃棄物である、廃棄物の焼却に伴って生じたばいじんを産業廃棄物とするものとすること。

3 産業廃棄物のうち、廃棄物の焼却に伴って生じたばいじん及び燃え殻を特別管理産業廃棄物とするものとすること。

第二 一般廃棄物の処分及び一般廃棄物焼却施設に係る規制の強化

一 一般廃棄物処理基準及び特別管理一般廃棄物処理基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第六条の二第四項関係)

 一般廃棄物処理基準及び特別管理一般廃棄物処理基準は、廃棄物焼却施設において一般廃棄物を焼却する場合に関しては、その焼却に用いる廃棄物焼却施設の排ガス(廃棄物焼却施設の煙突から排出されるガスをいう。以下同じ。)中のポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(以下「ダイオキシン類」という。)の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

二 その設置について許可等を要する一般廃棄物焼却施設の範囲の拡大(新法第八条第一項関係)

 一般廃棄物焼却施設(事業の用に供しない一般廃棄物焼却施設であって政令で定めるものを除く。以下同じ。)は、その設置につき許可等を要するものとすること。

三 一般廃棄物処理施設の設置の許可に係る技術上の基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第八条の二第二項関係)

 一般廃棄物処理施設の設置の許可に係る技術上の基準は、一般廃棄物焼却施設に関しては、一般廃棄物焼却施設において一般廃棄物を焼却した場合におけるその排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

四 一般廃棄物処理施設の維持管理に係る技術上の基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第八条の三第二項関係)

 一般廃棄物処理施設の維持管理に係る技術上の基準は、一般廃棄物焼却施設に関しては、その排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

五 一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度による使用の停止命令等(新法第九条の二第二項から第四項まで並びに第九条の三第十項及び第十一項関係)

1 都道府県知事は、廃棄物処理法第十九条第一項の検査の結果、設置の許可に係る一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり十ナノグラム以下で政令で定める量を超えるものであるときは、当該一般廃棄物焼却施設の設置者に対し、当該一般廃棄物焼却施設の使用の停止を命ずるとともに、期限を定めて当該一般廃棄物焼却施設につき必要な改善を命じ又は当該一般廃棄物焼却施設の設置の許可を取り消さなければならないものとすること。

2 都道府県知事は、1の改善命令に係る一般廃棄物焼却施設について検査を行い、設置の許可に係る技術上の基準及び維持管理に係る技術上の基準(ダイオキシン類に係るものに限る。)に適合していると認める場合に限り、1の停止命令を解除することができるものとすること。

3 都道府県知事は、1により改善命令を受けた者が期限までに当該命令に係る一般廃棄物焼却施設につき当該命令に係る改善措置をとらないときは、当該一般廃棄物焼却施設の設置の許可を取り消さなければならないものとすること。

4 都道府県知事は、市町村の設置に係る一般廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度を計測した結果が一立方メートル当たり十ナノグラム以下で政令で定める量を超えるものであるときは、その設置者又は管理者に対し、当該一般廃棄物焼却施設の使用の停止を命ずるとともに、期限を定めて当該一般廃棄物焼却施設につき必要な改善を命じなければならないものとすること。

5 都道府県知事は、4の改善命令に係る一般廃棄物焼却施設について検査を行い、設置の許可に係る技術上の基準及び維持管理に係る技術上の基準(ダイオキシン類に係るものに限る。)に適合していると認める場合に限り、4の停止命令を解除することができるものとすること。

六 一般廃棄物の再生利用に係る基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第九条の五の二第二項関係)

 一般廃棄物の再生利用に係る基準は、その再生に伴って排ガスを生ずる一般廃棄物の再生利用に関しては、その排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

第三 産業廃棄物の処分及び産業廃棄物処理施設に係る規制の強化

一 産業廃棄物処理基準及び特別管理産業廃棄物処理基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第十二条第二項及び第十二条の二第二項関係)

 産業廃棄物処理基準及び特別管理産業廃棄物処理基準は、産業廃棄物を焼却する場合に関しては、その焼却に用いる廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

二 その設置について許可を要する産業廃棄物焼却施設の範囲の拡大(新法第十五条第一項関係)

 すべての産業廃棄物焼却施設は、その設置につき許可を要するものとすること。

三 産業廃棄物処理施設の設置の許可に係る技術上の基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第十五条の二第二項関係)

 産業廃棄物処理施設の設置の許可に係る技術上の基準は、産業廃棄物焼却施設に関しては、産業廃棄物焼却施設において産業廃棄物を焼却した場合におけるその排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

四 産業廃棄物処理施設の維持管理に係る技術上の基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第十五条の二の二第二項関係)

 産業廃棄物処理施設の維持管理に係る技術上の基準は、産業廃棄物焼却施設に関しては、その排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

五 産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度による使用の停止命令等(新法第十五条の三第二項から第四項まで関係)

1 都道府県知事は、廃棄物処理法第十九条第一項の検査の結果、設置の許可に係る産業廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり十ナノグラム以下で政令で定める量を超えるものであるときは、当該産業廃棄物焼却施設の設置者に対し、当該産業廃棄物焼却施設の使用の停止を命ずるとともに、期限を定めて当該産業廃棄物焼却施設につき必要な改善を命じ又は当該産業廃棄物焼却施設に係る設置の許可を取り消さなければならないものとすること。

2 都道府県知事は、1の改善命令に係る産業廃棄物焼却施設について検査を行い、設置の許可に係る技術上の基準及び維持管理に係る技術上の基準(ダイオキシン類に係るものに限る。)に適合していると認める場合に限り、1の停止命令を解除することができるものとすること。

3 都道府県知事は、1により改善命令を受けた者が期限までに当該命令に係る産業廃棄物焼却施設につき当該命令に係る改善措置をとらないときは、当該産業廃棄物焼却施設の設置の許可を取り消さなければならないものとすること。

六 産業廃棄物の再生利用に係る基準におけるダイオキシン類に係る排出基準の創設(新法第十五条の四の二第二項関係)

 産業廃棄物の再生利用の基準は、その再生に伴って排ガスを生ずる産業廃棄物の再生利用に関しては、その排ガス中のダイオキシン類の濃度が一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるように定めなければならないものとすること。

第四 廃棄物焼却施設によらない焼却の禁止(新法第十六条の二関係)

 事業者は、廃棄物を処分するため、廃棄物焼却施設によらないで、みだりに廃棄物を焼却してはならない。

第五 措置の要請(新法第十九条の六の二関係)

 市町村の長は、その市町村又はその市町村に隣接する市町村の区域内において廃棄物処理法又は廃棄物処理法に基づく命令の規定に違反した廃棄物の処分が行われ、又は行われている疑いがあるにおいて、その住民に係る生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、必要な措置をとるべきことを、その権限を有する者に対し要請することができるものとすること。

第六 罰則(新法第二十六条関係)

 第四の規定に違反して、廃棄物を焼却した者に対する罰則を定めるものとするほか、所要の罰則の整備を行うものとすること。

第六 その他

一 施行期日(附則第一条関係)

 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第五の規定は、公布の日から施行するものとすること。

二 経過措置(附則第二条から第六条まで関係)

1 この法律の施行の際現に存する廃棄物焼却施設でこの法律の施行により新たにその設置に関し許可を要するものとなるものに該当するものに関し新法による設置の許可を受けたものとみなすものとすること。

2 この法律の施行の際現に廃棄物焼却施設の設置の許可を受け、又は設置の許可の申請をしている者に係る当該廃棄物焼却施設(政令で定める廃棄物焼却施設を除く。)に関しては、この法律の施行後十年間は、排ガス中のダイオキシン類の濃度に関し、「〇・一ナノグラム」とあるのは「一ナノグラム以下で政令で定める量」とするものとすること。

3 1及び2のほか、この法律の施行に関して必要な経過措置を定めるものとすること。

三 その他(第九条の五の二第五項等関係)

 その他必要な規定の整備を行うものとすること。