参議院法制局

第144回国会参法第2号


租税特別措置法の一部を改正する法律の施行による地方財政収入の減少を回避するための地方税法等の一部を改正する法律(案)

(趣旨)

第一条 この法律は、租税特別措置法の一部を改正する法律(平成十年法律第   号)の施行による地方財政収入の減少を回避するため、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)等の一部改正について定めるものとする。

(地方税法の一部改正)

第二条 地方税法の一部を次のように改正する。

 附則第九条の三の次に次の一条を加える。

(地方消費税の税率等の特例)

第九条の三の二 地方消費税の税率は、租税特別措置法第八十六条の三の二の規定が適用される間、第七十二条の八十三の規定にかかわらず、百分の五十とする。

2 前項の規定の適用がある場合における第七十二条の八十七、第七十二条の八十八第二項及び第七十二条の百四第一項の規定の適用については、これらの規定中「百分の二十五」とあるのは「百分の五十」とする。

(地方交付税法の一部改正)

第三条 地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。

 附則第二条の次に次の一条を加える。

(第六条に定める率の特例)

第二条の二 当分の間、第六条中「百分の三十二」とあるのは「百分の三十六」と読み替えて、この法律の規定を適用する。

 附則第四条第四号の三の次に次の一号を加える。

四の四 前各号に掲げる額以外の額として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計の交付税及び譲与税配付金勘定に繰り入れられる特例加算額 三千九百九十億円

(交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部改正)

第四条 交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和二十九年法律第百三号)の一部を次のように改正する。

 附則第四条の次に次の一条を加える。

(第四条に定める率の特例)

第四条の二 当分の間、第四条中「百分の三十二」とあるのは「百分の三十六」と読み替えて、この法律の規定を適用する。

 附則第七条中「第四号の三」を「第四号の四」に改める。

附 則

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十一年一月一日から施行する。

(地方税法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 別段の定めがあるものを除き、第二条の規定による改正後の地方税法(以下「新法」という。)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に事業者が行う課税資産の譲渡等(消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第二条第一項第九号に規定する課税資産の譲渡等をいう。以下この条、附則第四条及び第五条において同じ。)及び施行日以後に保税地域から引き取られる課税貨物(同項第十一号に規定する課税貨物をいう。以下この条、附則第四条及び第五条において同じ。)に係る地方消費税について適用し、施行日前に事業者が行った課税資産の譲渡等及び施行日前に保税地域から引き取られた課税貨物に係る地方消費税については、なお従前の例による。

第三条 新法附則第九条の三の二第二項の規定において読み替えられた地方税法第七十二条の八十七の規定は、消費税法第四十二条第一項、第四項、第六項又は第八項に規定する課税期間の直前の課税期間が施行日以後に開始する場合について適用し、当該課税期間の直前の課税期間が施行日前に開始した場合については、なお従前の例による。

2 消費税法第四十三条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出する場合においては、前項中「消費税法第四十二条第一項、第四項、第六項又は第八項に規定する課税期間の直前の課税期間」とあるのは「消費税法第四十三条第一項に規定する中間申告対象期間」と、「当該課税期間の直前の課税期間」とあるのは「当該中間申告対象期間」とする。

第四条 地方税法第七十二条の八十七の事業者(消費税法第四十三条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出する事業者に限る。)が、施行日以後に終了する中間申告対象期間(消費税法第四十三条第一項に規定する中間申告対象期間をいう。以下この項において同じ。)に係る地方税法第七十二条の八十七の規定による申告書を提出する場合において、消費税法第四十三条第一項第四号に掲げる金額の計算の基礎となる金額に経過措置対象課税資産の譲渡等又は経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれているときは、当該申告書に係る中間申告対象期間を一の課税期間とみなして次条第一項の規定を適用して算出した金額を当該中間申告対象期間に係る地方税法第七十二条の八十七各項の規定による譲渡割額として同条各項の規定を適用する。

2 前項の経過措置対象課税資産の譲渡等とは、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第八十六条の三の二において読み替えて適用される消費税法第二十九条に規定する税率と異なる税率が適用される課税資産の譲渡等をいう。

3 第一項の経過措置対象課税仕入れ等とは、次に掲げるものをいう。

一 施行日前に事業者が行った課税仕入れ(消費税法第二条第一項第十二号に規定する課税仕入れをいう。第三号及び第五号並びに次条第一項第二号において同じ。)

二 施行日前に事業者が保税地域から引き取った課税貨物

三 租税特別措置法の一部を改正する法律(以下この項及び次条第一項第二号において「租税特別措置法改正法」という。)附則第五条第五項の規定の適用を受ける課税仕入れ

四 租税特別措置法改正法附則第五条第四項、第八条又は第九条の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等

五 前各号に掲げるもののほか、租税特別措置法改正法附則の規定の適用を受ける課税仕入れ等で政令で定めるもの

第五条 地方税法第七十二条の八十八第一項の事業者が、施行日以後に終了する課税期間(同法第七十二条の七十八第三項に規定する課税期間をいう。以下この条において同じ。)に係る同法第七十二条の八十八第一項の規定による申告書を提出する場合において、当該課税期間に係る同項に規定する消費税額の計算の基礎となる金額に前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等又は同条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれ、かつ、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除して残額があるときは、当該残額を当該課税期間に係る同法第七十二条の八十八第一項前段に規定する譲渡割額として同項の規定を適用する。

一 イに掲げる金額に百分の二十五を乗じて得た金額及びロに掲げる金額に百分の五十を乗じて得た金額の合計額

イ 当該課税期間中に当該事業者が行った前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等(地方税法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十一号)附則第五条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等を除く。)に係る消費税額の合計額

ロ 当該課税期間中に当該事業者が行った課税資産の譲渡等(前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等を除く。)に係る消費税額の合計額

二 イに掲げる金額に百分の二十五を乗じて得た金額及びロに掲げる金額に百分の五十を乗じて得た金額の合計額

イ 当該課税期間中に当該事業者等が行った課税仕入れ又は当該課税期間中に保税地域から引き取った課税貨物(前条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等(地方税法等の一部を改正する法律附則第五条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等を除く。)に限る。)につき、租税特別措置法改正法施行前の消費税法第三章の規定を適用した場合に同章の規定により当該課税期間の同法第四十五条第一項第二号に掲げる消費税額から控除されるべき同項第三号イからハまでに掲げる消費税額の合計額

ロ 当該課税期間中に当該事業者が行った課税仕入れ又は当該課税期間中に保税地域から引き取った課税貨物(前条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等を除く。)につき、租税特別措置法改正法施行後の消費税法第三章の規定を適用した場合に同章の規定により当該課税期間の同法第四十五条第一項第二号に掲げる消費税額から控除されるべき同項第三号イからハまでに掲げる消費税額の合計額

2 地方税法第七十二条の八十八第一項の事業者が、施行日以後に終了する課税期間に係る同項の規定による申告書を提出する場合において、当該課税期間に係る同項に規定する消費税額の計算の基礎となる金額に前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等又は同条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれ、かつ、前項第一号に掲げる金額から同項第二号に掲げる金額を控除して控除しきれなかった金額があるときは、当該事業者を同法第七十二条の八十八第二項に規定する事業者と、当該控除しきれなかった金額を同項に規定する金額とみなして、同項の規定を適用する。

3 地方税法第七十二条の八十八第二項の事業者(消費税法第四十五条第一項の規定により消費税に係る申告書を提出する義務がある者に限る。)が、施行日以後に終了する課税期間に係る地方税法第七十二条の八十八第二項の規定による申告書を提出する場合において、当該課税期間に係る同項に規定する不足額の計算の基礎となる金額に前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等又は同条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれ、かつ、第一項第一号に掲げる金額から同項第二号に掲げる金額を控除して控除しきれなかった金額があるときは、当該控除しきれなかった金額を当該課税期間に係る同法第七十二条の八十八第二項に規定する金額として同項の規定を適用する。

4 地方税法第七十二条の八十八第二項の事業者(消費税法第四十五条第一項の規定により消費税に係る申告書を提出する義務がある者に限る。)が、施行日以後に終了する課税期間に係る消費税法第四十五条第一項の規定による申告書を提出する場合において、当該課税期間に係る同項に規定する不足額の計算の基礎となる金額に前条第二項に規定する経過措置対象課税資産の譲渡等又は同条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれ、かつ、第一項第一号に掲げる金額から同項第二号に掲げる金額を控除して残額があるときは、当該事業者を地方税法第七十二条の八十八第一項に規定する事業者と、当該残額を当該課税期間に係る同項前段に規定する譲渡割額とみなして、同項の規定を適用する。

5 地方税法第七十二条の八十八第二項の事業者(消費税法第四十六条第一項の規定により消費税の申告書を提出しようとする者に限る。)が、施行日以後に終了する課税期間に係る地方税法第七十二条の八十八第二項の規定による申告書を提出する場合において、当該課税期間に係る同項に規定する不足額の計算の基礎となる金額に前条第三項に規定する経過措置対象課税仕入れ等に係る消費税額が含まれているときは、第一項第二号に掲げる金額を当該課税期間に係る同法第七十二条の八十八第二項に規定する金額として同項の規定を適用する。

6 前各項に定めるもののほか、これらの規定の適用がある場合における新法第二章第三節及び附則第九条の三の二から第九条の十六までの規定の適用に関し必要な技術的読替えその他必要な事項は、政令で定める。

(地方交付税法の一部改正に伴う経過措置)

第六条 第三条の規定による改正後の地方交付税法附則第二条の二の規定は、平成十一年度分の地方交付税から適用する。

(交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部改正に伴う経過措置)

第七条 第四条の規定による改正後の交付税及び譲与税特別会計法附則第四条の二の規定は、平成十一年度分の予算から適用する。

(政令への委任)

第八条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置その他必要な事項は、政令で定める。

 

理 由

 租税特別措置法の一部を改正する法律の施行による地方財政収入の減少を回避するため、地方消費税の税率の特例を設けるとともに、平成十年度分の地方交付税の総額について加算措置を講じ、平成十一年度以降の所得税、法人税及び酒税に係る地方交付税の率の特例を設ける必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

この法律の施行に伴い必要となる経費

 この法律の施行に伴い必要となる経費は、平成十年度において三千九百九十億円の見込みである。