参議院法制局

第144回国会参法第1号


租税特別措置法の一部を改正する法律(案)

 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

 第八十六条の三の次に次の一条を加える。

(消費税の税率等の特例)

第八十六条の三の二 消費税法の適用については、当分の間、同法第二十九条中「百分の四」とあるのは「百分の二」と、同法第三十条第一項、第三十二条第一項第一号及び第三十六条第一項中「百五分の四」とあるのは「百三分の二」と、同法第三十八条第一項中「百分の五」とあるのは「百分の三」と、「百五分の四」とあるのは「百三分の二」と、同法第三十九条第一項中「百五分の四」とあるのは「百三分の二」とする。

附 則

(施行期日等)

第一条 この法律は、平成十一年一月一日から施行し、改正後の租税特別措置法(以下「新法」という。)第八十六条の三の二の規定は、同日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び同日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ並びに同日以後に保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税について適用する。

(長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置)

第二条 事業者が、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に行った消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第十六条第一項に規定する長期割賦販売等につき同項の規定の適用を受けた場合において、当該長期割賦販売等に係る賦払金の額で施行日以後にその支払の期日が到来するものがあるときは、当該賦払金に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定を適用する。

2 前項の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等に係る消費税法第三十八条及び第三十九条の規定による消費税額の控除等については、新法第八十六条の三の二の規定を適用する。

(割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置)

第三条 事業者が、施行日前に行った法人税法等の一部を改正する法律(平成十年法律第二十四号。以下「法人税法等改正法」という。)附則第二十八条第二項に規定する棚卸資産又は役務の割賦販売等につき法人税法等改正法附則第二十七条の規定による改正前の消費税法(以下「旧消費税法」という。)第十五条第一項の規定の適用を受けた場合及び法人税法等改正法附則第二十八条第三項に規定する棚卸資産又は役務の割賦販売等につき同項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧消費税法第十五条第一項の規定の適用を受けた場合において、当該割賦販売等に係る賦払金の額で施行日以後にその支払の期日が到来するものがあるときは、当該賦払金に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定を適用する。

2 前条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける場合について準用する。

(延払条件付販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置)

第四条 事業者が、施行日前に行った法人税法等改正法附則第二十八第五項に規定する資産の延払条件付販売等につき旧消費税法第十六条第一項の規定の適用を受けた場合において、当該延払条件付販売等に係る賦払金の額で施行日以後にその支払の期日が到来するものがあるときは、当該賦払金に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定を適用する。

2 附則第二条第二項の規定は、前項の規定の適用を受ける場合について準用する。

(工事の請負に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置)

第五条 事業者が、施行日の前日までの間に締結した消費税法第十七条第一項に規定する長期大規模工事の請負に係る契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡しを行う場合において、同項の規定の適用を受けるときは、当該長期大規模工事の目的物のうち当該長期大規模工事の着手の日から施行日の前日までの期間に対応する部分の対価の額として政令で定めるところにより計算した金額に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

2 事業者が、施行日の前日までの間に締結した消費税法第十七条第二項に規定する工事の請負に係る契約に基づき、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡しを行う場合において、当該工事に係る対価の額につき、施行日の属する年又は施行日の属する事業年度以前の事業年度において同項に規定する工事進行基準の方法により経理した金額があり、かつ、同項の規定の適用を受けるときは、当該工事の目的物のうち当該工事の着手の日から施行日の前日までの期間に対応する部分の対価の額として政令で定めるところにより計算した金額に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

3 事業者が、法人税法等改正法附則第二十八条第六項に規定する長期工事の請負に係る契約(平成八年十月一日以後に締結されたものに限る。)に基づき、施行日以後に当該契約に係る目的物の引渡しを行う場合において、当該長期工事に係る対価の額につき、施行日の属する年又は事業年度以前の年又は事業年度において旧消費税法第十七条第一項に規定する工事進行基準の方法により経理した金額があり、かつ、同項の規定の適用を受けるときは、当該長期工事の目的物のうち当該長期工事の着手の日から施行日の前日までの期間に対応する部分の対価の額として政令で定めるところにより計算した金額に係る部分の課税資産の譲渡等に係る消費税の税率については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

4 第一項、第二項又は前項の規定の適用を受ける課税資産の譲渡等に係る消費税法第三十八条及び第三十九条の規定による消費税額の控除等については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

5 事業者が、第一項、第二項又は第三項の規定の適用を受けた事業者からこれらの規定の適用を受けた目的物の引渡しを受けた場合(当該引渡しを受けた目的物に係る対価の額のうちこれらの規定の適用を受けた金額に係る部分に限る。)における消費税法第三十条から第三十六条まで並びに第六十条第四項及び第五項の規定による仕入れに係る消費税額の控除等については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

6 事業者が、第一項、第二項又は第三項の規定の適用を受けた目的物の引渡しを行った場合には、その相手方に対し当該目的物の引渡しがこれらの規定の適用を受けたものである旨及びこれらの規定の適用を受けた部分に係る対価の額を書面により通知するものとする。

(仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例に関する経過措置)

第六条 事業者が、施行日前に国内において行った課税仕入れにつき、施行日以後に消費税法第三十二条第一項に規定する仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、当該仕入れに係る対価の返還等に係る同条の規定による仕入れに係る消費税額の控除の計算については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

(納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整に関する経過措置)

第七条 消費税法第三十六条第一項の事業者が、施行日前に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産又は施行日前に保税地域から引き取った課税貨物で棚卸資産に該当するものを施行日以後有している場合には、当該課税仕入れに係る棚卸資産又は当該課税貨物で棚卸資産に該当するものに係る同項の規定による消費税額の調整については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

2 前項の規定は、消費税法第三十六条第三項の個人事業者又は法人が同項の被相続人又は被合併法人の事業を承継した場合について準用する。この場合において、前項中「第三十六条第一項」とあるのは「第三十六条第三項」と、「事業者」とあるのは「個人事業者又は法人」と、「国内」とあるのは「同項の被相続人又は被合併法人が国内」と、「保税地域」とあるのは「同項の被相続人又は被合併法人が保税地域」と読み替えるものとする。

3 第一項の規定は、消費税法第三十六条第五項の事業者が、同法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除されることとなった場合について準用する。

(売上げに係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除に関する経過措置)

第八条 消費税法第三十八条第一項に規定する事業者が、施行日前に国内において行った課税資産の譲渡等につき、施行日以後に同項に規定する売上げに係る対価の返還等をした場合には、当該売上げに係る対価の返還等に係る同条の規定による消費税額の控除については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

(貸倒れに係る消費税額の控除等に関する経過措置)

第九条 消費税法第三十九条第一項に規定する事業者が、施行日前に国内において行った課税資産の譲渡等に係る売掛金その他の債権につき、同項に規定する事実が生じたため、施行日以後に当該課税資産の譲渡等の同項の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなった場合には、当該領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等に係る同条の規定による消費税額の控除等については、新法第八十六条の三の二の規定は、適用しない。

(課税資産の譲渡等についての中間申告等に関する経過措置)

第十条 施行日以後に終了する課税期間(消費税法第四十三条第一項に規定する中間申告対象期間が同項の規定により一の課税期間とみなされる場合には、その末日が施行日以後である当該中間申告対象期間。以下この条において同じ。)においてこの附則の規定により新法第八十六条の三の二において読み替えて適用される消費税法第二十九条に規定する税率と異なる税率が適用される課税資産の譲渡等が行われた場合における当該課税期間に係る消費税法第四十二条第一項、第四項、第六項又は第八項の規定による申告書で同法第四十三条第一項各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第四十五条第一項の規定による申告書については、同法第四十三条第一項第一号及び第四十五条第一項第一号中「課税標準である金額の合計額」とあるのは「税率の異なるごとに区分した課税標準である金額及びその合計額」と、同法第四十三条第一項第二号及び第四十五条第一項第二号中「課税標準額」とあるのは「税率の異なるごとに区分した課税標準額」とする。

(政令への委任)

第十一条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 

理 由

 当分の間、消費税の税率を百分の四から百分の二に引き下げる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

この法律の施行により歳入減となる見込額

 この法律の施行により歳入減となる額は、初年度約一兆三千五百億円、平年度約五兆五千億円の見込みである。