参議院法制局

第143回国会参法第3号


金融監督委員会設置法案要綱

第一 目的

 この法律は、金融機関の破綻が相次いで発生し、我が国の金融の機能が大きく低下している現状にかんがみ、新たに金融監督委員会を設置することとし、あわせて、その所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とするものとする。

(第1条関係)

第二 金融監督委員会

一 設置

 国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項の規定に基づいて、総理府の外局として、金融監督委員会を設置するものとする。

(第2条関係)

二 任務

 金融監督委員会は、法令の定めるところにより、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等を保護するとともに金融及び有価証券の流通の円滑を図るため、銀行業、保険業、証券業その他の金融業の免許等及びこれらを営む者の検査その他の監督をし、並びに証券取引等の監視をすることその他の金融及び証券取引に関する国の事務を一体的に行うことにより、我が国の金融制度及び証券取引制度の健全な発展に資することを主たる任務とするものとする。

(第3条関係)

三 所掌事務及び権限

 金融監督委員会の所掌事務は、金融及び証券取引に関する国の事務(大蔵省の所掌に属する調査・企画及び立案を除く。)とし、その権限の行使は、その所掌事務の範囲内で法令に従ってなされなければならないものとする。

(第4条関係)

四 国会に対する報告等

 金融監督委員会は、おおむね6月に1回、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、所掌事務の処理状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならないものとする。

(第5条関係)

五 組織

 金融監督委員会は、委員長及び委員4人をもって組織するものとする。

(第6条関係)

六 委員長

 委員長は、国務大臣をもって充てるものとする。

(第7条関係)

七 委員

1 委員は、経済、金融又は法律に関する学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命するものとする。

2 委員の任期は3年とする。

3 委員の身分保障・罷免・服務等につき所要の規定の整備をするものとする。

(第8条〜第12条関係)

八 会議

1 金融監督委員会は、委員長が招集するものとする。

2 金融監督委員会は、委員長及び2人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができないものとする。

3 金融監督委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによるものとする。

(第13条関係)

九 規則の制定

 金融監督委員会は、その所掌事務について、法律若しくは政令を実施するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、金融監督委員会規則を制定することができるものとする。

(第14条関係)

十 事務局

1 金融監督委員会の事務を処理させるため、金融監督委員会に事務局を置くものとする。

2 苦情処理等の金融監督委員会の事務を分掌させるため、金融監督委員会の事務局の地方機関として、所要の地に地方事務所を置くものとする。

(第15条、第16条関係)

十一 関係行政機関との協力等

 関係行政機関との協力等につき、所要の規定を設けるものとする。

(第17条関係)

第三 金融監督庁

一 設置

 国家行政組織法第3条第3項ただし書の規定に基づいて、金融監督委員会に、金融監督庁を置くものとする。

(第18条関係)

二 任務及び長

1 金融監督庁は、法令の定めるところにより、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等を保護するとともに金融及び有価証券の流通の円滑を図るため、銀行業、保険業、証券業その他の金融業を営む民間事業者等の業務の適切な運営又は経営の健全性が確保されるようこれらの民間事業者等について検査その他の監督をし、及び証券取引等の公正が確保されるようその監視をすることを主たる任務とするものとする。

2 金融監督庁の長は、金融監督庁長官とするものとする。

(第19条関係)

三 所掌事務及び権限

 金融監督庁の所掌事務は、法律に基づく金融監督委員会の権限に属する事項に係るものを除くほか、法令に基づき金融監督庁に属させられた事務とし、その権限の行使は、その所掌事務の範囲内で法令に従ってなされなければならないものとする。

(第20条関係)

四 関係行政機関との協力

 金融監督庁長官の関係行政機関との協力につき所要の規定を設けるものとする。

(第21条関係)

第四 証券取引等監視委員会

 証券取引等監視委員会について、従前と同様の規定を設けるものとする。

(第22条〜第31条関係)

第五 職員

 第二から第四までに規定するものその他別に法律に定めるもののほか、金融監督委員会に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和22年法律第120号)の定めるところによるものとする。

(第32条関係)

第六 その他

一 施行期日

 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとする。

(附則第1条関係)

二 所掌事務の特例

 金融監督委員会は、当分の間、金融機能の正常化に関する特別措置法(平成10年法律第   号)に基づき金融監督委員会に属させられた事務をつかさどるものとする。

(附則第2条関係)

三 金融監督庁設置法の廃止

 金融監督庁設置法(平成9年法律第101号)は、廃止するものとする。

(附則第3条関係)

四 経過措置等

 この法律の施行に関し必要となる経過措置その他所要の規定を設けるものとする。

(附則第4条〜第7条関係)

五 関係法律の整備

 この法律の施行に伴う関係法律の整備については、別に法律で定めるものとする。

(附則第8条関係)