参議院法制局

第143回国会参法第7号


国民経済の活性化に資するための商品券の支給に関する緊急措置法(案)

(趣旨)

第一条 この法律は、国民経済の活性化に資するために緊急に講ずべき措置として国民等に対し商品券を支給することに関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第二条 この法律において「国民等」とは、日本国内に住所を有する日本国民及び日本国内に居住地を有する外国人(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第二の上欄の永住者の在留資格をもって在留する者及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者に限る。)をいい、監獄、少年院、婦人補導院その他の政令で定める施設に収容されている者を除くものとする。

2 この法律において「商品券」とは、物品(証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券、前払式証票の規制等に関する法律(平成元年法律第九十二号)第二条第一項に規定する前払式証票、競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)第五条の勝馬投票券その他これらに類するものとして政令で定めるものを除く。以下同じ。)を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために交付により使用することができる証票であって、その代価の弁済のために充てることができる金額(以下「証票金額」という。)が記載されたものをいう。

3 この法律において「事業者」とは、物品の販売若しくは貸付け又は役務の提供を事業として行う個人又は法人(国及び地方公共団体を除く。)をいう。

(商品券の支給等)

第三条 政府は、国民等に対し、この法律の定めるところにより、商品券を支給する。

2 前項の規定により国民等一人について支給する商品券の証票金額の合計額は、三万円とする。

3 政府は、事業者が物品の購入若しくは借受け又は役務の提供の受入れ(以下「物品の購入等」という。)の代価の弁済として第一項の規定により支給する商品券を受け取ったときは、当該事業者に対し、その証票金額に相当する金銭を支払う。

(商品券の発行)

第四条 政府は、前条第一項の規定により支給するため、商品券を発行することができる。

(使用範囲等)

第五条 前条の規定により発行される商品券(以下「特別商品券」という。)は、日本国内において、すべての事業者に対し、かつ、すべての物品の購入等について、使用することができる。

2 特別商品券は、平成十一年一月一日から同年十二月三十一日までの間において、使用することができる。

3 特別商品券の証票金額は、五百円及び千円の二種類とする。

4 特別商品券の使用に際し、その証票金額の合計額が物品の購入等の代価を上回るときは、当該上回る額に相当する金銭の支払いは行われないものとする。

5 前各項に定めるもののほか、特別商品券の様式その他特別商品券に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。

(交付)

第六条 市町村(特別区のある地にあっては特別区。以下同じ。)の長は、平成十年十二月一日(次条において「基準日」という。)において国民等であって当該市町村に備える住民基本台帳又は外国人登録原票に記載若しくは記録又は登録がされているものに対し、特別商品券を交付する。

2 前項の規定による交付は、政令で定めるところにより、郵送によって行うことができる。

3 市町村の長は、平成十年十二月三十一日までに第一項の規定による交付を行うよう努めなければならない。

第七条 基準日において国民等であって住民基本台帳又は外国人登録原票に記載若しくは記録又は登録がされていないものは、その住所地又は居住地の市町村の長に対し、政令で定めるところにより、特別商品券の交付を請求することができる。

2 市町村の長は、前項の規定による請求があったときは、政令で定めるところにより、当該請求をした者に対し、特別商品券を交付する。

(受取拒否の禁止)

第八条 事業者は、物品の購入等の代価の弁済として特別商品券を受け取ることを拒んではならない。ただし、次条第二項の書類を提示することができないため第三条第三項の規定による金銭の支払い(次条において「換金」という。)を受けることができない事業者については、この限りでない。

(換金)

第九条 換金に関する事務は、政令で定めるところにより、郵政大臣に取り扱わせ、又は銀行その他の政令で定める金融機関(以下この条において「銀行等」という。)に委託するものとする。

2 事業者は、物品の購入等の代価の弁済として特別商品券を受け取った場合において、換金を受けようとするときは、当該特別商品券を提出するとともに、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二十条の十第一項の納税証明書その他のその者が事業者であることを確認するに足りるものとして大蔵省令で定める書類を提示しなければならない。

3 事業者が換金を受けることができる期限は、平成十二年三月三十一日までとする。

4 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、換金に必要な資金を郵政大臣の指定する出納官吏及び第一項の規定により委託を受けた銀行等に交付しなければならない。

5 大蔵大臣は、政令で定めるところにより、第一項の規定により委託を受けた銀行等に対し、手数料を支払わなければならない。

(売却等の禁止)

第十条 特別商品券は、これを売却し、又は担保に供してはならない。

(非課税)

第十一条 第六条第一項又は第七条第二項の規定により特別商品券を交付された国民等については、租税その他の公課は、当該特別商品券の証票金額を標準として、課することができない。

(事務費の交付)

第十二条 政府は、政令で定めるところにより、市町村に対し、第六条第一項及び第七条第二項の規定による特別商品券の交付に関する事務の処理に必要な費用を交付する。

(指定都市の特例)

第十三条 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市に対するこの法律の規定(前条の規定を除く。)の適用については、区を市とみなす。

(政令への委任)

第十四条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

附 則

 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

 

理 由

 最近における我が国の景気の状況にかんがみ、緊急の措置として、国民等に対して商品券を支給することにより、個人消費の拡大を図り、もって国民経済の活性化に資する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

この法律の施行に要する経費

 この法律の施行に要する経費は、約三兆九千億円の見込みである。