参議院法制局

第141回国会参法第6号


阪神・淡路大震災の被災者に対する支援に関する法律案要綱

第一 趣旨(第一条関係)

 この法律は、阪神・淡路大震災の被災者に対する震災見舞金の支給、特別支援金の支給、開業・継業支援資金の貸付け等について規定するものとすること。

第二 定義(第二条関係)

一 この法律において「基準日」とは、平成七年一月十七日をいうこと。

二 この法律において「所得の額」とは、その所得が生じた年の翌年の四月一日の属する年度分の地方税法第五条第二項第一号に掲げる市町村民税に係る同法第三百十三条第一項に規定する総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額をいうこと。

三 この法律において「被災世帯」とは、阪神・淡路大震災(以下「震災」という。)によりその居住する住宅が全壊し、若しくは全焼し、又は半壊し、若しくは半焼した世帯をいうこと。

第三 震災見舞金の支給

一 震災見舞金の支給(第三条関係)

 基準日において被災世帯が居住していた市町村(三1において「市町村」という。)は、被災世帯(これに属する者の平成八年の所得の額の合計額が千万円に満たないものに限る。)の世帯主に対し、震災見舞金を支給すること。

二 震災見舞金の額(第四条関係)

 震災見舞金の額は、その居住する住宅が全壊し、又は全焼した世帯にあっては、四十万円と二十万円にこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)において当該世帯に属する者の数から一を減じた数を乗じて得た額との合計額(当該額が百万円を超えるときは、百万円)とし、その居住する住宅が半壊し、又は半焼した世帯にあっては、三十万円と十万円に施行日において当該世帯に属する者の数から一を減じた数を乗じて得た額との合計額(当該額が六十万円を超えるときは、六十万円)とすること。

三 認定(第五条関係)

1 震災見舞金の支給を受ける権利の認定は、これを受けようとする者の請求に基づいて、市町村が行うこと。

2 1の請求は、政令で定めるところにより、平成十一年三月三十一日までに行わなければならないこと。

四 支給の制限(第六条関係)

 震災見舞金は、被災世帯となるに至った事情が、当該被災世帯に属する者の故意又は重大な過失によるものである場合には、支給しないこと。

五 公課の禁止(第九条関係)

 租税その他の公課は、震災見舞金として支給を受けた金銭を標準として、課することができないこと。

六 費用の負担(第十条関係)

 国は、震災見舞金に要する費用につき、その全部を負担すること。

第四 特別支援金の支給

一 特別支援金の支給(第十一条関係)

1 震災による被害を受けた市町村で政令で定めるもの(以下「被災市町村」という。)は、基準日において次の(1)又は(2)のいずれかに該当する世帯であって、これに属する者の平成八年の所得の額の合計額が、平成六年の所得の額の合計額の三分の二未満となり、かつ、合計所得限度額未満となったものの世帯主に対し、特別支援金を支給すること。ただし、当該所得の減少が震災に起因するものでないことが明らかな場合は、この限りでないこと。

(1) 被災市町村に居住していた世帯

(2) 被災市町村で事業を営み、又は被災市町村に所在する事業所に雇用されていた者がその生計を主として維持していた世帯((1)に該当する世帯を除く。)

2 1の「合計所得限度額」は、施行日において世帯に属する者が一人であるときは百五十万円、二人であるときは二百七十万円、三人であるときは四百万円、四人であるときは四百六十万円、五人以上であるときは四百六十万円にその世帯に属する者のうち四人を除いた者一人につき二十万円を加算した額とすること。

二 特別支援金の額(第十二条関係)

 特別支援金の額は、五十万円に施行日において当該世帯に属する者の数を乗じて得た額(当該額が二百万円を超えるときは、二百万円)とすること。

三 準用(第十三条関係)

 第三の三、五及び六は、特別支援金の支給について準用すること。

第五 開業・継業支援資金の貸付け

一 開業・継業支援資金の貸付け(第十四条関係)

1 府県は、震災に起因して、失業し、又はその営んでいた事業の継続が著しく困難になった者のうち、当該府県にある被災市町村の区域内において事業を営み、又は営もうとする者に対し、開業・継業支援資金を貸し付けることができること。

2 開業・継業支援資金の貸付けの限度額は、千万円とすること。

3 開業・継業支援資金の償還期間(三年の据置期間を含む。)は、十年とすること。

4 開業・継業支援資金は、据置期間中は無利子とし、据置期間経過後はその利率を延滞の場合を除き年二パーセントとすること。

二 国の貸付け(第十五条関係)

1 国は、府県に対し、開業・継業支援資金の貸付けの財源として必要となる金額に相当する金額を無利子で貸し付けるものとすること。

2 1の貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、十一年とすること。

三 償還免除(第十六条関係)

1 府県は、開業・継業支援資金の貸付けを受けた者が死亡したとき、又は身体上若しくは精神上著しい障害を受けたため開業・継業支援資金を償還することができなくなったと認められるときは、当該開業・継業支援資金の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができること。

2 国は、府県が1により開業・継業支援資金の償還を免除したときは、当該府県に対し、その免除した金額に相当する額の貸付金の償還を免除するものとすること。

四 貸付金の償還(第十七条関係)

 府県は、国からの貸付金の償還期間の終期前一年までの間は、開業・継業支援資金の償還を受けたときに、政令で定めるところにより、償還を受けた金額(延滞利子に係る金額を除く。)に相当する金額を国に償還するものとすること。

第六 国の補助(第十九条関係)

 国は、財団法人阪神・淡路大震災復興基金に対し、住宅建設資金の借入れに係る利子補給その他震災により被害を受けた者の住生活の安定に資する事業及び事業資金の借入れに係る利子補給その他震災により被害を受けた中小企業者の支援に関する事業に要する経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができること。

第七 施行期日等(附則関係)

一 この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

二 関係法律について所要の規定の整備を行うこと。