参議院法制局

第140回国会参法第8号


建築士法の一部を改正する法律(案)

 建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第五章 建築士事務所(第二十三条−第二十七条)」を

「第五章 建築士事務所(第二十三条−第二十七条)

 第五章の二 建築士事務所の業務の適正な運営等を図ることを目的とする団体の指定(第二十七条の二−第二十七条の五)」

に改める。

 第十八条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

3 建築士は、設計を行う場合においては、設計の委託者に対し、設計の内容に関して適切な説明を行うように努めなければならない。

 第二十三条第一項中「又は木造建築士は」を「若しくは木造建築士又はこれらの者を使用する者は」に改め、「(木造建築士」の下に「又は木造建築士を使用する者(木造建築士のほかに、一級建築士又は二級建築士を使用する者を除く。)」を加え、「それぞれ」を削り、同項後段を削る。

 第二十四条の三の次に次の二条を加える。

(書類の閲覧)

第二十四条の四 建築士事務所の開設者は、建設省令で定めるところにより、当該建築士事務所が行つた業務の実績、当該建築士事務所を管理する建築士の建築士としての実務の経験その他建設省令で定める事項を記載した書類を、当該建築士事務所に備え置き、設計等を委託しようとする建築主(建築主になろうとする者を含む。以下同じ。)の求めに応じ、閲覧させなければならない。

(書面の交付)

第二十四条の五 建築士事務所の開設者は、建築主から設計又は工事監理の委託を受けたときは、建設省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を当該建築主に交付しなければならない。

一 設計又は工事監理の種類及びその内容

二 設計又は工事監理の実施の期間及び方法

三 報酬の額及び支払の時期

四 契約の解除に関する事項

五 前各号に掲げるもののほか、建設省令で定める事項

 第二十六条第二項中「一に」を「いずれかに」に改め、同項第三号中「又は第二十四条の三」を「から第二十四条の五まで」に改める。

 第二十六条の二に次の一項を加える。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 第五章の次に次の一章を加える。

第五章の二 建築士事務所の業務の適正な運営等を図ることを目的とする団体の指定

(指定法人)

第二十七条の二 建設大臣は、建築士事務所の業務の適正な運営及び設計等を委託する建築主の利益の保護を図ることを目的として民法第三十四条の規定により設立された法人であつて、次項に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、同項に規定する業務を行う者として指定することができる。

2 前項の指定を受けた法人(以下「指定法人」という。)は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 建築士事務所の業務に関し、契約の内容の適正化その他設計等を委託する建築主の利益の保護を図るため必要な建築士事務所の開設者に対する指導、勧告その他の業務

二 建築士事務所の業務に対する設計等を委託する建築主等からの苦情の処理

三 建築士事務所の開設者に対する研修

四 その他指定法人の目的を達成するために必要な業務

(改善命令)

第二十七条の三 建設大臣は、指定法人の前条第二項に規定する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、その指定法人に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

(指定の取消し)

第二十七条の四 建設大臣は、指定法人が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

(報告及び立入検査)

第二十七条の五 建設大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定法人に対し、その業務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定法人の事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

 第三十六条の二の次に次の一条を加える。

第三十六条の三 第二十七条の五第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした指定法人の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

 第三十八条中「一に」を「いずれかに」に改め、同条に次の一号を加える。

三 第二十四条の四の規定に違反して書類を備え置かず、若しくは設計等を委託しようとする建築主の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは設計等を委託しようとする建築主に閲覧させた者

附 則

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(書面の交付に関する経過措置)

2 この法律による改正後の建築士法第二十四条の五の規定は、この法律の施行前に建築士事務所の開設者が受けた設計又は工事監理の委託については、適用しない。

 

理 由

 建築士事務所の業務の適正な運営等を図るため、建築士事務所の開設者に対し書類の閲覧等を義務付けるほか、建設大臣は、建築士事務所の業務の適正な運営等を図ることを目的として設立された団体を指定することができることとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。